『この海に』制作裏話4(最終回)

『この海に』好評発売中です。

3月1日からの続きです。

しばらく、「Riders to the sea」のことは、
忘れていたのですが、
3・11の地震のあとに、本の企画を考えていたところ、
ふと思い出しました。
「そういえば、アイルランドにも
厳しい自然と向き合って、生きている人たちがいたぞ」と。
極東の島国と、ヨーロッパの西のはずれの島が、
重なって見えたのでした。

それで、あとは、
詩人の高橋順子さんに、原作を詩情あふれる文章で小説化していただき、
(高橋順子さんは、千葉県飯岡のご実家が津波の被害にあい、
 そのことも「あとがき」で書いていただいた)
気づいたら、本が完成しておりました。

写真は、『この海に』に収録した、
「Riders to the sea」原文の底本にした、
1910年にダブリンで刊行された
『The works of John M. Synge volume one』。

大塚

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